「GUYLIAN シーシェルバー事件」と位置商標

Pocket

 

清水さん

清水さん

 

 

こんにちは、清水です。

 

 

 

 

ホワイトデーが終わりましたが、マーくんが彼女に何をプレゼントしたのか気になりますよね。我が家では、今年初めて娘と一緒にバレンタインチョコを作り主人に渡したのですが、お返しは娘だけでした。。。仕方ないですね。

 

悲しい前置きはさておき、今日は予告通り「チョコレートの立体商標」に関する事件として有名な「GUYLIAN シーシェルバー事件」(平成19年(行ケ)10293号)(以下、「シーシェルバー事件」といいます。)判決を紹介します。

 

「なぜ、今頃?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

今回はシーシェルバー事件そのものではなく、仮に、「出願した位置商標が、審査段階において識別力がない」と判断されて拒絶理由を通知された場合に、この判決の中に、『意見書の主張ポイント』として参考になりそうなキーワードが含まれているので、その観点から取り上げたいと思います。

 

シーシェルバー事件は、第30類の「Chocolate, pralines」(チョコレート,プラリーヌ)を指定商品とする立体商標の国際商標登録出願(国際登録番号第803104号)をしたところ、特許庁の審査・審判段階では「単にチョコレートの立体的な形を表示したものにすぎないから商標法3条1項3号に該当する」と判断され、知財高裁まで争った事件です。

 

判決においては、ワイキキ事件(昭和53年(行ツ)129号)で述べられた商標法3条1項3号の趣旨に基づき、

(1)「取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから,特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないもの」(いわゆる「独占不適商標」)であるかどうか

(2)「一般的に使用される標章であって,多くの場合自他商品識別力を欠き,商標としての機能を果たし得ないもの」(いわゆる「自他商品識別力欠如商標」)であるかどうか、

が判断されました。

 

さて、ここからが本題です。

 

まず、(1)の判断の中で、「本願商標は、・・・少なくとも本件全証拠からは同様の標章の存在を認めることができないという意味で個性的である」と述べられています。

この「個性的」というキーワード、位置商標でも使えそうな気がします。

出願した位置商標がどのような点で『個性的』であるかを述べることでき、それが認められればいわゆる「独占不適商標」には該当しないですよね。

「個性的かどうか」については、シーシェルバー事件では、「4種類の魚介類の図柄の選択及び配列の順序並びに立体的に構成されたこれらの図柄のマーブル模様の色彩等において」として、『図柄の選択』、『配列の順序』、『色彩』の点から判断されています。

これらの点は位置商標でも述べることができそうです。

 

また、『同様の標章の存在が認められなかった』ことも個性的であると判断された一つのポイントとなっています。

この点は立証が難しい点ではありますが、立証できるのであれば主張ポイントにはなりますね。

 

次に、(2)の判断においては、立体商標を構成する個々の図柄等については新規な図柄にはあたらないと判断されました。

しかしながら、立体商標の4種の図柄の選択・組合せ及び配列の順序並びにマーブル色の色彩が結合している点について、判決は「これらの結合によって形成される本願商標が与える総合的な印象は,本願商標が付された前記のシーシェルバーを購入したチョコレート菓子の需要者である一般消費者において,チョコレート菓子の次回の購入を検討する際に,本願商標に係る指定商品の購入ないしは非購入を決定する上での標識とするに足りる程度に十分特徴的である」と述べています。

 

これを位置商標であてはめて考えてみると、例えば、複数の構成要素からなる位置商標において個々の要素がありふれたものであることを理由に識別力がないと判断された場合、シーシェルバー事件を参考に上げて「総合的に判断してください」って反論できそうです。

また、取引者又は需要者が商品を手にとった際に目を惹く部分にあることや、商標の色彩が鮮やかなこと等も述べて、「指定商品の購入・非購入を決定する上での標識となりうる程度に特徴的である」と主張できそうですよね。

 

以上、長くなってすみません。

新しい商標は審決例や裁判例がないため、拒絶理由を通知されたときに「何を意見書で主張すればいいのか」というのは悩むところですよね。そのような際に、考え方のヒントにしていただければ幸いです。

それでは、次回をお楽しみに!

 

Comments are closed.

Powered by WordPress. Theme by Arinio