16.拒絶理由が来た!?~商標の類否判断⑤(後日談)~

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5回にわたって続いた商標「ダックスフント」のお話も、今回で最終回です。

前回、弁理士清水に意見書案を示してもらったマーくんは、その後、果たして2016年7月11日の期限までに、特許庁に意見書を提出することができたのでしょうか?

 

弁理士 清水

弁理士 清水

 

 

清水さん:マーくん、意見書の提出は間に合いましたか?

 

 

 

 

マーくん

マーくん

 

マーくん:はい! 死に物狂いで書き上げました! あれだけ清水さんにポイントを教えてもらっても、実際に書くのはやっぱり難しいですね。もう、延長しちゃおうかと思いました。

 

 

 

 

清水さん:2016年の4月から、国内居住者にも「拒絶理由通知の応答期間の延長請求」が認められるようになりましたからね(「商標登録出願における拒絶理由通知の応答期間の延長について」参照)。

どうしても提出が間に合わない!というときは、手数料(印紙代:2,100円「拒絶理由通知の応答期間内」に行う場合)はかかりますが、延長するというのも1つの選択肢ですよ。

 

ところでマーくん、4条1項11号の拒絶理由を通知されたときは、先行商標との類否だけでなく、他にもチェックしてほしいところがあります。今回は特に注目してほしかったのですが、気付いていましたか?

 

マーくん:注目すべきところですか? う~ん……今まで検討してきたところ以外にってことですよね?

 

清水さん:そうです。では、もう1度確認してみましょうか。

 

【拒絶理由通知書】

この商標登録出願に係る商標(マーくんのお母さんが出願した商標)は、下記の登録商標と同一又は類似であって、その商標登録に係る指定商品・指定役務と同一又は類似の商品・役務について使用するものですから、商標法第4条第1項第11号に該当します。

 

引用商標

No.1 登録第1234567号 商標「タックスフント」(標準文字)

区分 第18類 指定商品 かばん類

存続期間満了日:2016年9月30日

 

マーくん:あっ、分かりました! 存続期間満了日がもうすぐです!

 

清水さん: そのとおり。たとえ本願商標が引用商標と類似すると判断されても、引用商標が更新されずに権利が消滅すれば、拒絶理由がなくなるので登録が可能になります。

 

マーくん:もうちょっとだったのになぁ……もうちょっと早く権利が満了していれば、死に物狂いで難しい意見書を書かずに済んだのに(泣)

 

清水さん:仮にさきほど触れた「拒絶理由通知の応答期間の延長請求」をしたとしても、最大で2ヶ月(「応答期間経過後2ヶ月以内」に行う場合)しか延長できませんので、応答期限は2016年9月11日。残念ながら、難しい意見書を書くことは免れませんでしたね。

 

マーくん:な、なるほど! 延長制度にはそういった活用方法もあったんですね! 今回は使えませんでしたが……

 

清水さん:ほかにも、事前に調査して、権利満了後に出願するという方法もあります。調査の利点は、このように出願時期の計画を立てられるというところにもありますね。

でも、今回のように非類似の主張が認められそうなときは、意見書で対応すれば十分ですよ。

 

マーくん:ふう……それにしても、無事に意見書を提出できてよかったです。

これで、後は登録査定がくるのを待つだけです! わくわく!

 

清水さん:(ちゃんと、意見書内で主張できているかちょっと心配ですね……)

 

マーくん:あれ? どうしたんですか、清水さん?

 

清水さん:いえ、マーくんならできていると信じてますよ! 大丈夫!

 

マーくん:? 何だかよく分かりませんが、ありがとうございます!

 

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