太田 香苗

大学卒業後、30歳までエネルギー関連会社の技術系職員として管理部門で勤務。より専門性を高められる仕事をと転職。

小出 典宏

産業機械メーカーで環境プラントの仕事などに関わる。研究開発部門等に10年勤めたのち、アスフィへ。

山野 寛明

国家公務員として働きながら、大学時代から興味があった弁理士の資格取得を目指し、試験に合格。別の特許事務所を経てアスフィに入社。

藤堂 綾香

製造業の研究開発部門に勤務していたが、プライベートの時間も確保したいと転職を検討。特許出願や知財管理を行った経験から特許業界へ転身。

酒井 俊樹

前職は製薬会社で入社新薬の臨床開発に携わっていたが、より専門的な仕事をしたいと転職を決意。2018年に弁理士試験に合格。

中村 ゆかり

電機メーカーに研究開発職として勤務し出産を機に退職。子育てしながら英語を学び、英検1級に合格。大学の研究室勤務を経て転職。

特許の知識を持っていない未経験からの転職者が多い

中村

私は特許技術者としてアスフィに応募したのではなく事務職でエントリーしたんです。ですが、理系出身で研究開発の経験があり、英語も勉強してきたことを面接で評価していただいて、所長に特許技術者として働くことをすすめていただきました。面接では「ベンゼン環に違和感がなければ大丈夫」と言われたのを覚えています(笑)。特許に関しては一から教えますと。

藤堂

私も未経験での入社です。特許が何かはなんとなく知ってましたが具体的にどう仕事を進めていくかはわからずに、ドキドキしていました。でも仕事を進めていく中で、所長やほかの所員の方がしっかりサポートしてくれると感じて、緊張は次第にほぐれました。もちろん自分で勉強することはたくさんありました。

小出

そもそも特許事務所には新卒で入る人の方が少ないと思います。メーカーや研究所に勤めて、特許に興味を抱き、特許事務所に転職する人の方が多いのではないでしょうか。働きながら勉強して資格を取ったりしてから、本格的に特許の仕事に就くというような人もいます。

山野

私は、別の事務所で弁理士の仕事を経験してからアスフィに転職したので、経験者として来たわけですが、事務所によって仕事のやり方は全然違いますから、経験者であっても、その事務所のスタイルに合わせるということは必要ですね。
誰もが最初は未経験。確かに経験者の方が最低限のことは知っているので、ゼロからではないという点は大きい。例えば、最初は公開公報を一通り読んで理解するのも一苦労だと思います。経験者ならそういうのが苦にならないというメリットはあります。また、いくら理系出身といっても、技術の素養がみんなにあるとは言えない。分野がずれると全然ついていけない人もいる。未経験だとそういうことに対応できずに業界を去る人もいますね。

酒井

僕が入社したときはジュニアパートナー弁理士に教えてもらったのですが、今は当時とは制度が変わっていて、所長か副所長がまず付いて、さらに先輩たちがフォローするような形になりました。

中村

私は最初に特許制度について数日教えていただいて、すぐに実務に入りました。実は採用のお返事をいただいて、入社までに3週間ほど日があいたんです。そしたら「審査基準を全部読んどいてね」って言われまして、私は真面目に読んでいきました。でも入ったら「えっ?ほんとに読んだの?」って言われました(笑)。

山野

審査基準ってすごいボリュームですよ。

太田

いきなり読んでもよくわからないよね。

中村

入るまでに読まなきゃって(笑)。

山野

もちろん読んだ方がいいですが、実務をやっていくと理解できる内容ですよね。やってみた上で読むと、こういうことかとわかって自分の成長につながる。そういう意味ではOJTから入っていくのは一番効果的でしょう。

小出

基本的に所員全員にパートナー弁理士がつきます。特許においては、その技術の権利範囲を決める“クレーム”が大切なんです。それを必ずパートナー弁理士がチェックして、1つの案を作っていきます。

藤堂

考えるところまでは1人で行い、それで本当にあっているか、独りよがりな意見になっていないかどうかと、所長や副所長がチェックします。「私はこう思うから、こういうことができると思うのですが、どうでしょう」と。それに対して、「それはたしかに1つの案だね」とか、「ちょっと違うんじゃない?」とかご意見をいただく。そういう進め方をしています。

多様な経験を積んだ人たちが協力し合う職場

小出

特許事務所の中からアスフィに転職した理由は2つあります。まずは事務所の規模です。規模が小さいと経営が不安定な場合も。誰か一人が倒れたら事務所が回らなくなるようでは困るし、でも大きいと社会の景気の影響を受けやすいと思います。アスフィのように30~40人の規模ならみんなで頑張ってやれば、さほど景気の波によらず、仕事ができる。実際、コロナ禍もその前のリーマンショックの時もそこまで悪影響を受けませんでした。
それからもう1つは、極度に分業化されなくて、特許全般を学べること。アスフィでは1つの案件に対して基本的に1人で担当します。日本に出願して、外国にも出す場合は、日本で出願した人が担当します。これが大きい事務所だと、日本担当、外国担当に分かれていることもあります。アスフィはやりたかったらやらせてくれます。それが自身のスキルアップにつながります。

中村

私もいろいろな特許事務所のホームページを見て、規模感がちょうどいいなと思いました。これくらいの規模感だと弁理士さんが少ないところもあるけど、アスフィには複数いて、いろいろなことが吸収できるこんじゃないかと。実際、アスフィなら資格を持ってなくても、やっていれば認めてもらえます。
私は専業主婦だった期間があってブランクがあるんですが、ライフステージによってブランクがあったとしても、それまでの経験をかってくれて、アスフィはチャンスをくれました。トライしてみたら道が開けることがあると思います。

太田

私は知財の経験もなく、研究開発の経験もありません。そんな私を評価してくれたのは、大学を卒業して働いているときに、社会人大学院に行って2年間仕事と大学院を両立したことをやる気のある人だと思ってくれたのだと思います。経験が少なくてもやる気と意欲があれば、見てくださって、受け入れてくれるところがありがたいところです。

小出

研究開発で手を動かすなど現場での経験は、特許の業界に入っても生きてくることがあると思います。

太田

そうですね。メーカーの研究開発をしている人だったら、もともと知財の人たちと近いので、特許事務所には入ってきやすいのでしょうね。私は研究開発ではなくて、管理部門の仕事をしていたのですが、たくさんの人と関わり、調整をする業務でした。その経験も今、役立っていると感じます。特許事務所の仕事もお客様とのコミュニケーションがとても大事ですから。

酒井

僕は……あまり前職は生かされてないですね(笑)。サービス業だったんですが、やはり人との関わりが一番大切だということが前職で学んだことです。
転職したての頃は、いろいろな人に面倒見ていただきました。発明の捉え方、法律の解釈、審査基準などが教えてくれる人によってやや違うこともあって、結局柔軟性が大事なのかと(笑)。

太田

上司が1人の場合もあるけれど、分野が変わると聞く人が変わって、見方が変わることもありますからね。

藤堂

はい。基本的にみなさん優しい。パートナー弁理士、所長、副所長に、自分の仕事で悩んでいるんでいることを相談しに行って、忙しいからダメと言われたことはありません。みなさん親身に考えてくれるんです。過去の事例を調べてくれて、「この辺りが参考になるかも」と一緒に考えてくれたり、アドバイスをくれたり。面倒見のいい、優しい人が多い。そこがアスフィのいいところだと思います。

太田

静かに集中して仕事しているときはしているし、誰かが困っているときは助けてくれる。メリハリがあって、ちょうどいい感じです。

酒井

小出さんは面倒見がいいから。若手にいろいろ教えていますよね。

小出

私は弁理士ではないので、技術的なところでできるアドバイスをしています。前職で、化学、生物、流体、機械、プラント、新事業調査など幅広く経験したことが今の仕事でも強みになっています。ですから「実際こうだったんだよ」と伝えることも多いです。

外国出願などハードな面を乗り越えることが、達成感につながる

藤堂

特許を出願するのですから、まだ世に出回っていない出来立ての新しい技術に触れることができる。新しいもの好きにはぴったりの仕事です。

中村

出願すると特許庁からダメと言われることもある。それをなくしていく作業が仕事。日本だけではなくアメリカ、ヨーロッパ、中国といった外国との知的なやり取りが楽しく、大変ですがやりがいがあります。日本と感覚が違って驚くこともあります。その国ならではのことがある。余裕があるときは面白いと思えますが余裕がない時はなんでやねんと思いますね(笑)。

山野

ぜんぜん違うのでね。

酒井

すさまじい件数がきたりもしますね…。“束”で動くことが多いですから。束の量が多いときつい。

小出

1つの案件を1人という話をしましたが、案件によっては出願国が多くなったりするんです。出願したら審査にかけられて、各国の特許庁のタイミングで拒絶理由通知が送られてきます。同じ時期にアメリカからも中国からもヨーロッパからも拒絶理由が来ることもあります。山野さんは割と外国出願の案件を担当していることが多いですよね。

山野

拒絶理由は来るのが当たり前なので、来るのはいいんですが、言われてから何日以内に応答しなさいよという期間が短い国もあります。だいたいは2か月とか3か月なのですが、15日の国もありまして……。お客様と打ち合わせして、どういう風にするかを決めないといけないうえに、それを英語にして、その国の特許事務所に伝えて、その手続きを終えるまでに15日。全然時間がない。余裕があるときならいいのですが、そういう時に限って別のギリギリの案件があったりして大変というときもありますね。

藤堂

自分が担当しているので最後まで責任もって最後まで全部やりたいですよね

山野

どうしても外国出願の案件は拒絶理由の対応が多くなりますが、難しい案件で特許になったときは頑張ったかいがあったなと思いますね。

酒井

拒絶理由もそうですが、特に公知発明に極めて近いと権利化が難しいですね。公知発明との微差に基づいて進歩性を各国特許庁の審査官に納得させないといけないので。その特許がとれたらうれしいですね。それに、書類を作るのも楽しいんです。文章を書くことで発明を充実させることができますから。

ワークライフバランスに合わせたさまざまな働き方ができる

藤堂

提出期限は絶対です。ですが、そこに間に合うようにペース配分を自分で決めることができるのも特徴です。余裕があるときはプライベートの時間も確保しやすいです。

小出

基本的にはノルマという形で課されることはありません。その人のポテンシャルに応じて、仕事が割り振られます。所員はそれぞれのワークライフバランスに合わせて勤務できるので、子育てしながら時短勤務で働いている人もいます。僕は家族で働いているのは自分だけなので、僕が一生懸命働かないといけない(笑)。

太田

その人のおかれている状態に合わせて件数もある程度調整してくれますし、時短でもやらせてくれる。育休や有休も制度は充実しています。仕事をちゃんとすれば休みもとれます。

小出

ワークライフバランスも尊重してくれてます。プライベートとのバランスを取りながらキャリア形成したい人にいい職場だと思います。

ジェネラリストではなく、スペシャリストになれる

太田

前職は一つの事業が終わるまでに20年、30年かかるような仕事でした。働いていても、いつ出来上がるかの実感がない。でも特許の仕事は1件に2ヶ月というように必ず期限が決まっていて、短いスパンで達成感が得られることが大きな違いです。それから前職は全体を見ているような部署にいたので、いろいろなことを広く把握しなくてはいけませんでしたが、個々を詳しくは知りませんでした。特許の仕事は、法律がすべての軸となっていて、その知識を深めることができます。ジェネラリストじゃなくて、スペシャリスト寄りの仕事だと言えると思います。

小出

私にとっては転勤がないこともメリットです。転職してきた時期は、ちょうど子供が生まれた時期で、家族との時間が持ちたいということも転職の理由の1つでした。また、大企業にはジョブローテーションがありますが、アスフィにはなく、特許という1つのことを極められます。

中村

私も太田さんと一緒で大企業だと歯車の1つという感じで、自分1人では何もできない。だけど今、もし1人で放り出されても、少なくとも今やっていることは自分1人でもできる。そういう違いがありますよね。

酒井

アスフィはやったこと、頑張ったことはきちんと評価して、ボーナスをアップしてくれるのもメリットだと思います。それに、要望を言えば、改善してもらえます。

小出

所長、副所長との距離は近いですよね。

太田

意思決定がスピーディですね。

山野

どうしても外国の案件は拒絶理由の対応が多くなりますが、難しい案件で特許になったときは頑張ったかいがあったなと思いますね。

酒井

仕事柄、課題を見つけて改善していきますから、アスフィそのものも年々よくなってきているんじゃないでしょうか。問題があれば改善していく、そんな姿勢を持っている事務所だと思います。

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